友達とビアガーデンに行った後、もっと盛り上がりたいとパブスタの歌舞伎町店に行った。パブスタって絶対に先に酒を入れてから行ったほうがいい。そのほうが、男女ともに積極的に色んな人に話しかけることができる。
私たちは飲み放題のビアガーデンでしこたま飲んでいた。ときはゴールデンウィーク最終日。20時。行くしかないタイミングである。
激込み。辛うじて並ばなかったものの、まぁもう芋洗い状態だ。
歌舞伎町店は初来店の私たちがどこで酒を買うかウロウロしていると、20代半ばくらいの男性2名が親切に一緒にカウンターまで行ってくれた。幸先いいわぁ。
ほぼへべれけに近かった私はカウンターの端で飲んでいる男性二人に話しかけてみた。ふるい人間なので逆ナンはしないと決めているのだが、酔っているからこの際、そんなことはどうでもいい。
「こんばんはー。隣いいですか?」
「あ。どうぞ。どうぞ」
と、爽やか。30代前半といったところか。仕事はIT。住みが何と錦糸町だというではないか。一気に親近感がわいた。二人は会社の同僚で、ゴールデンウィークということもあり出会いを求めてきたとのこと。
「いやぁ。話しかけてくれて嬉しかったです。全然話しかけることできなくてぇ。誰かが話しかけてくれるの待ってたんですぅ」
は? じゃあ何できたの?? キモいんですけど……。ストリートじゃないんだよ。そんな“用意された状況”でも、声かけられない男がいるとか終わってんな。日本。
大人しいタイプの人間が全般的に好きではないので、もう無視。もう、別の男を狙って奥のテーブルに向かう。
エグザイル風の色黒でやんちゃそうな男性がいる! タイプ! ガシガシ話しかけに行った。結婚式の帰りに一人で立ち寄ったとのこと。そこのテーブルにいた男性は3人。みんな一人できて、全然友達でも何でもない。このテーブルが楽しそうだからきた。とのこと。ほぉー。男性は一人の方も多いんだね。そういえば、恵比寿店も一人男性多かったな。個人的には、こういうナンパバーに一人でくる人って「友達に知られたら困る」つまり結婚しているか彼女がいる人だと決めつけているので、嫌いではある。
そんなこんなでウェイウェイしていると、突如、ごつい白人がカットイン。
「アイム・ユーチューバー。アイム・ユーチューバー」
といいながら、肩を寄せてくる。
え! ユーチューバーってまさか、無断で撮影とかしてなにでしょうね! 怖い! 怖すぎる。日本のバカ女。とかってアップされたらイヤじゃん。近づかないで欲しい。オーストラリアからきたといっていた。オーストラリアでどれだけユーチューバーが市民権を得ているかは知らないけど、私の中ではユーチューバーなんて職業は存在しないので、絶対にかかわりたくない。
やだやだ。下がったわぁ。変なノリの外国人ってだいたい邪魔でしかないんだよなぁ。
店はさらに混雑してきた。もう、酒を買うのに外まで並ばなくちゃならない。となったところで撤収。
パブスタはコミュ力、積極性がある人間には天国である。歌舞伎町2号店にもいこー。
▶︎ 桜木ピロコ
作家。コラムニスト。4年制大学卒業後、国文学研究員。通商産業省貿易局安全保障貿易管理課。ならびに輸出課非常勤職員。情報誌記者を経フリーランスに。2009年『肉食系女子の恋愛学』(徳間書店)を上梓。社会現象を巻き起こす。『もっと知りたい! 大人の保健体育』(コアマガジン)シリーズ全巻Amazon女性の医学、性風俗部門ランキング1位を獲得。著書多数。モテ、恋愛専門家。現代女性の生の声を伝えることをライフワークにしている。
ー 桜木ピロコが取材! 彼女怪談 ー
【彼女怪談】“霊が視える”彼女と付き合った男を襲った背筋も凍る恐怖体験とは!? 「新宿の電話ボックスに…」
